ロンドンで過ごす600日のこと

好きでもない国に来てみて住んでみた600日間のこと。趣味の旅行のこと。

中期目標から1ヶ月、新しいお仕事を始めました。

一ヶ月前にリストアップした、「中期目標 3月までの残り158日間でやりたい事」の中で進歩があったのは、レストランでウェイトレスとして働き始めた事です。

 

そこはもともとお気に入りのレストランで、何度も行ったことがありました。
ご飯が美味しい事と、お店自体わりと繁盛していて、働いている人たちも感じが良く、その中で働いてみたいと思いました。

 

実際には、すんなりこのレストランで働く事に決まったわけではなく、その前にいくつかのカフェやパブなどにCVを出し、インタビューを受けたり、トライアルとして働いたりもしました。
しかし簡単には仕事はもらえませんでした。

 



でも結果的に今のレストランで働けて良かったなと今は感じています。

 

一緒に働く人に日本人はいないし、日本人のお客さんもめったに来ないレストランです。
私はあまり英語に自信がありませんが、それでもレストランで働いたことはあったので、ウェイトレスとしての仕事にはなんとなく慣れていたし、いざ働くに当たって使う英語はだいたい決まっているので、もの凄い苦労、というのはそこまでありません。

 


ここ最近はこのレストランでの仕事にも慣れてきて、少しずつ、「仕事をこなす」ような日々になりつつありました。
正直なところ、レストランで働くのはわたしにとって妥協点かなぁと感じていました。

英語も大して伸びないだろうし、なにかのスキルが付くわけでもないし、お給料が良いわけでもない。
でもビザの残りが半年となっていた私には仕事を選ぶ余地はありませんでした。

でも先日、同僚に言われてハッとしたことがあります。


だいたいの仕事は分かってきたよね?
そしたらこれからはお客さんにちょっとした提案をしてごらん。
特別なディナーにワインはどうですか?
スペシャルなカクテルもあるよ。
こんなスターターはどう?これがおすすめだよ。とか。

それにくだらない話でもなんでもいいし。

決まりきった差し支えない会話だけじゃなくて、お客さんともっと会話を楽しんでごらん。
ここで働けるのも、半年もないんでしょ?でももっと何でもできるはずだよ。



レストランで働くことから得られるものには、小さな可能性しか感じていませんでした。
できる事は限られていると思っていました。
でもそれは自分のやりようなんだって気付かされました。

ただ仕事としてこなすんじゃなくて、それ以上をやるのがウェイトレスの役目なのかも、と思いました。

もちろんレストランによって求められるウェイトレス像は違うだろうけど、このレストランの場合はそんな風に感じました。

 


もともと口数が少ないわたしですが、それ以降、少しずつ、お客さんに話しかけてみるようにしました。

たいしたネタはないのですが、話が広がるのが、どこから来たの?っていう話です。

来るお客さんはいろんな国籍の方々で、働いている側もいろいろな国籍が混ざっているので、わりとこの話にはよくなります。

お客さんの会話から、ドイツ人だなぁとか、スウェーデン人かも!!とか予想して話しかけてみたり。

 

すごく美味しかったよ!と言ってくれたお客さんに、

ありがとう、実は私も前からこのお店がすごく好きで、それで働き始めたんだ。ここで働けて嬉しいよ〜とか、いろいろ。

自分がオープンになれば会話はどんどん広がるようになりました。

 

 

 

仕事が終わった後のスッキリ感や充実感もぜんぜん違う。

 


レストランと言えど、もちろんいろんな所があります。
場所が違えば、提供する料理も、お店のスタイルや雰囲気も、働く人も、お客さんもちがいます。


でもわたしはこのお店で働くことに可能性を感じられるようになったし、すごく幸せだと感じています。

端から見たら何てことない仕事だけど、「これが私の仕事」という事にとらわれず、出来る限りの事をやりたいなと思っています。

なんでも自分のやりよう次第、というのは仕事だけでなく、このロンドンでの生活、むしろ人生においても、そうなんだよなーと思い知るきっかけにもなりました。