ロンドンで過ごす600日のこと

好きでもない国に来てみて住んでみた600日間のこと。趣味の旅行のこと。

Lake District ③ / イギリスの食文化に触れる。言語の高い壁にぶち当たる。

これまで一年間イギリスに住んできましたが、イギリスの食文化や料理に関しては、ぼんやりとしか知りませんでした。

まず「イギリスの食事」と言えば「まずい」と言われています。
しかし実際のところロンドンだったら、世界中の人が集まっていて、世界各国の料理を楽しめるので、美味しいものはいくらでもある!とも言われてきています。

エスニック料理といえば、東京だと、タイ、インディア、ベトナム、インドネシア、トルコ料理あたりならばよく見かけます。
しかしロンドンでは住む人種の数だけレストランの種類もあり、とてつもない種類のレストランがあります。
レバノン、アフガニスタン、パキスタン、スリランカ、ジャマイカ、ブラジル、エチオピア、ペルー、などなど…
全て食べた事があるわけではありませんが、そのほとんどが安くて、もちろん好みによるけれど美味しいんだとか。

実際に私も、イギリスらしい料理よりも、日本にいる時はそこまで食べる機会がなかったエスニック料理を食べる機会がぐんと増え、エスニック料理が好きになりました。

なので「イギリスの食事がまずい」というのはロンドンの場合は、「美味しい食事も楽しめる」に変わってきています😋

しかし、「イギリス料理」についてはどうなのだろうか。
まずこれまでに食べてみた「イギリス料理」と言えば、定番のフィッシュ&チップス、イングリッシュブレックファスト、パイ&マッシュ、、それくらいしかありません。

もはや観光客よりもイギリス料理に関しては知識なしと言っても過言じゃありません。

なので、イギリス料理が美味しいのかまずいのかという質問に答えられるほどの知識も経験もありません。


そんな私でしたが、先日行った友人の故郷「湖水地方」で友人のお家に泊まらせて頂いたときに、「The イギリス」な料理を振る舞って頂きました!




 

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”Mack & cheese"

まず初日のランチは、観光客が集まるような所にあるレストランにて。
マカロニチーズはイギリスやアメリカで家庭料理として出てくるみたいですね。

今まで食べた事が無くて、大して美味しくないだろうと、まったくもって期待していなかったけれど、衝撃のおいしさでした。。

もちっとした食感がちゃんと残っているマカロニに、さすがイギリス、絡めてあるチーズが本当に美味しい…
やっぱり乳製品に関しては日本よりも断然イギリスの方が上をいっています。

そして上にのっているチキンは、よくありがちなパサパサなものを想像していましたが、あれ?おいしい。ぜんぜんパサパサしていなくて、むしろジューシー。これは好きなやつだ。

生ハムもしょっぱ過ぎず、すべてがパーフェクトでした。


マカロニチーズ、完全に侮っていました。
ここのお店がたまたま美味しかったのかもしれないけれど。



そしてひと通り観光をした後は、友人のお家へ。
そして夕食までの間、ホンモノの暖炉を囲んで、シャンパンやら白ワインを頂きました。
すると次第にキッチンの方からいい匂いが漂ってきます。

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これがウワサの「ヨークシャープディング」です。

名前だけは聞いたことがあって、「シュークリームの皮みたいなやつ」と聞いていましたが、ほんとにその通りでした。
ふっかふかに焼きあがっています。


この日は日曜日で、イギリスでは「サンデーロースト」と呼ばれる食事を家庭でするのが伝統だそうです。
サンデーローストでは、ビーフやラム、チキンなどのお肉のかたまりをローストし、そのお肉から出てきた肉汁で玉ねぎを焦がして作るグレイビーソースをかけて食べます。
そこに蒸したりグリルした、たくさんの野菜と、ヨークシャープディングを付け合わせとして食べます。

  • 蒸したりグリルした、たくさんの野菜
    にんじん、いんげん、ブロッコリー、カリフラワー、パースニップ、キャベツ、じゃがいも、マッシュルーム
  • メインのローストビーフに、グレイビーソース
  • ヨークシャープディング

 

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これらは全て基本的には味付けせずにオーブンや蒸し器に放り込むだけです。
味付けは、上にかけるグレイビーソースのみというシンプルなものです。

とにかく野菜がたっぷりで、意外にもヘルシーな食事です。

大きなテーブルにたくさん並べられた野菜、お肉、ヨークシャープディングを好きなだけ自分のお皿に盛り付け、グレイビーソースをかけていただきます。

グレイビーソースが香ばしくて、玉ねぎで甘くておいしい😋
このソースを付けて野菜やお肉を食べると、食事が進みます。
ローストビーフもやわらかくておいしい😋
ローストビーフなんて普段家じゃ食べれないから、ご馳走気分です。

そしてひと通り食べた後には、てんこ盛りのチーズが出てきました!!

 

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みんな白ワインを片手に美味しそうにチーズを食べます。

私は日本にいたときはチーズはあまり好きではなかったけど、こっちに来て濃厚なチーズの美味しさが分かるようになりました。
みんなは特にブルーチーズが好きみたいだけど、私は大嫌い。

でも試しに食べてみたら、カビ臭さはあるけど、しょっぱくてフレッシュで思ってたよりも食べられました。そしてワインがすすむ~。


そしてもう一品出てきました。

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デザートもイギリスらしいのが出てきました。
"Sticky toffee sponge pudding"と呼ばれるものです。(おそらく)

これもオーブンで焼くデザートです。
イギリスの料理にはオーブンが不可欠なわけです。

その名の通り、スポンジでふわふわしているけど、トフィーでベトベトしていて、甘い甘いデザートです。
でもこの甘さは、トフィーが焦げているからか、黒糖っぽくて、そしてほんのりとジンジャーっぽい味がしました。
ぎっとぎとに甘いクリームのケーキとかよりも全然好きな甘さでした☺
これは好き嫌いが分かれるかもしれないけど、私は好きです。

ここにカスタードソースをかけて食べたんですが、バニラビーンズの入ったこのカスタードソースがすっっごくおいしかった😋
個人的にはプディングよりもこのカスタードソースがおいしくて、プディングにたっっぷりのカスタードソースをかけて食べるのがおいしかったです。


そしてチーズとデザートの後には、再び暖炉を囲んで、みんなとおしゃべりしながらワインをいただく。
なんて優雅で贅沢な、楽しい時間……だったのだがしかし、友人の家族(両親と妹)、友人の友人が更に2人の、合計6人のネイティブのブリティッシュに囲まれるこの空間、も~~全然ついていけない…

これまでイギリス人と話す機会はもちろんあったし、この友人ともしょっちゅう話していました。
一年前は何言ってるのか全然分からなかったけど、この一年でだいぶ理解できるようにはなったハズでした。

しかし、ネイティブのブリティッシュに囲まれ、容赦ないスピードと、言い回しで会話がどんどん弾んでいく。
みんなが盛り上がってヒートアップするにつれてどんどん、どんどん話についていけなくなる。。

途中からお父さんやお母さんがちょいちょい私のために解説を入れてくれたけど。

久しぶりに言語の、高い高い壁を感じたのでした。

でも、本当に英語わからんわーと落ち込んだわけではなく、ただひたすらにこの現実を受け止めました。

思えばこれまでにネイティブのブリティッシュに囲まれて長時間話すことなんてなかったなぁ。
一対一や、3~4人の少人数ならいいけど、ブリティッシュが6人集まってみんなで盛り上がり始めたら、こうなるんだなーと思いました。


思い返してみると、これまではネイティブのブリティッシュも含め大人数でおしゃべりしてる時、英語がセカンドランゲージの人が何人かいました。


英語をペラペラに何の不自由もなく使いこなすレベルのスウェーデン人やオランダ人、ドイツ人とか、気を使っている感じでもなく、ごくごく自然とコミュニケーションをお互いが取りやすいように上手にリードしてくれていたのかもしれません。


「英語」とひとことで言っても、いろんな「英語」があります。
イギリス人、アメリカ人、オーストラリア人、それぞれ少しずつ異なるけど、全部がネイティブの「英語」。
スウェーデン人、オランダ人、ドイツ人がセカンドランゲージとしてペラペラと話すのも「英語」。
私が話す日本風なカタカナイングリッシュも「英語」

例え、会話をする人同士がこのうちのどれかの「英語」を話していても、いろんな英語があるから、そのズレを埋め合いながら、理解し合えるように英語で上手にコミュニケーションをとっているのが、先ほどのスウェーデン人とかのセカンドランゲージとして英語を不自由なく話している人たちなんじゃないかと思いました。


やっぱり多言語を話せる人って、言語力だけの問題じゃなくて、「コミュニケーション」が上手な人が多いなぁと、つくづく思うのです。

とりあえず、英語はいろんな場所で、いろんな人が、いろんな風に使っているから、思っているほどに簡単じゃないってことを痛感したのでした。






翌朝は、オーブンでパンオショコラを焼いてくれました。
遅めの軽い朝食を食べた後は、わんこと共に家の近くをお散歩し、羊や馬、ぶた、あひる、動物たちと会ってきました。

あっという間にお昼過ぎになり家に戻ると、今度は昼食を用意してくれていました。

昨晩、実は気になっていたことがあります。
「夕食で残った物ってどうするんだろう?」

この昼食でその疑問は解けました。


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ポテト、にんじん、いんげん、ブロッコリー、マッシュルーム、パースニップ、カリフラワー、全部をミックスして、ヨークシャープディングを上に飾ってまたオーブンでグリル!

これは "Bubble and squeak"というちゃんとしたイギリス料理なんだそう。
イギリス料理のこと、本当に全然知らなかったけど、ヘルシーだし無駄がないし、家庭料理としては良いもんだと思いました。 

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 そしてこのド迫力のソーセージは「カンブリアンソーセージ」
ソーセージとは思えないほどに肉肉しい!

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その他、ベーコン、ベイクドビーンズ、スクランブルエッグとパンを一緒に頂きました。なんともイギリスらしい~


そしてこれはイギリスならではの表現なのですが、友人のお母さんは、この昼食のことを "Dinner"と呼び、夕食のことを "Tea" と呼んでいました。

イギリスではそのように呼ぶことがあるというのは以前から聞いたことがありましたが、お母さんが普通にそう言っていたので、あ!これの事だ!!と思い、ホントにブリティッシュな家族だなぁと改めて思ったのでした。


イギリスで一年間生活をしてきましたが、この2日間で、ようやくイギリスの本当の文化に触れた気がします。
やっぱりロンドンは「ロンドン」であって、世界中から集まった人がミックスされたコスモポリタンな雰囲気や活気を味わえる場所であって、この2日間で味わった「イギリスらしさ」からはかけ離れているように感じました。

でも、私にとっては「ロンドン」という東京よりも小さな場所では、世界中の人と出会えて、世界中を見ることが出来るから、やっぱり魅力的な場所です。

同じイギリスだけど、ロンドンから少しだけ離れてみたら、そんなことを改めて思いました。

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